2013年4月5日金曜日

連載「ゲーマーのための読書案内」第13回:『戦争における「人殺し」の心理学』_2

。その内訳は,物理的距離,心理的距離,機械の介在,集団免責,権威の命令などさまざまだが,何万人もの死者を出す戦略爆撃に参加するよりも,ナチの収容所で看守役をやるほうが心理的な抵抗が大きく,PTSD(心的外傷後ストレス)に悩まされる可能性も高いという説明が端的だ。自分で残虐だと思う事態に,面と向かって取り組んだり,それを間近に見たりすることが,「加害者」の側に重篤なストレスとなってのしかかる。  また,こうした視点で前近代の戦争を見たときに,古代ギリシア兵のファランクスは長い槍で殺す相手との距離を保ちつつ,陣形によって集団免責を発生させる有効な仕組みであったろうと著者は述べる。加えて,騎兵と比べたときチャリオット(戦車)には何ら戦術的合理性はないが,それがチームで運用されたことの利点に注目すべきだといった指摘も,極めて重要なものだろう。  その一方で著者は,長期の従軍でも戦争神経症にならず,敵を殺す/殺したことに深刻なストレスを感じることのない,FF14 RMT,全兵員で2%の「攻撃的精神病僬撙嗡匾颏虺证恼摺工未嬖冥摔獯イ欷搿5诙问澜绱髴椁摔堡朊钻戃姂殛L機部隊の戦果はその40%までが,全パイロットのわずか1%によって稼ぎ出されたこと,また専門の狙撃兵に選抜される者や,いわゆる特殊部隊に属する者の活躍がそうした人材の活用成果であり,アメリカ精神医学界(APA)の「DSM III-R」に言う「反社会的人格障害者」が,アメリカ成年男子の約3%であることと平仄が合うのだという。  ともあれ,その2%に該当しない大多数にとって,敵を撃つことは大変なストレスであり続ける。米軍は,そんな普通の兵士達の発砲率を上げることに成功し,朝鮮戦争で55%,ベトナム戦争で90?95%という成果を収めた。その秘密が,B.F.スキナーのオペラント条件付けを応用した手法であり,具体的には標的の形状や挙動を本物の敵兵に似せ,かつ訓練での成績に正のフィードバック(徽章の授与や外出許可)を加えることだった。訓練と状況次第で,人は人を殺せるようになるのである。  終章近くで著者は,アメリカの若年層における殺人事件の増加(1957年?1990年)と,映画/テレビゲームによって起こる(と著者が考える),ドラゴンクエスト10 RMT,人格モデル(長上の振る舞いを目下が学ぶこと)なき条件付けの危険性について警鐘を鳴らしている。指揮官の統制を受けない“発砲訓練”が持つかもしれない危険性の強調には,逆に軍のあり方(条件付きで人を殺せる人を育てていること)を社会的に是認する意図のようなものを感じないでもないが,軍の必要性を確固たる信念とする立場から見れば,首尾一貫した主張ではある
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