2013年2月25日月曜日

連載「ゲーマーのための読書案内」第56回:『1491』_1

 8月1日から「アメリカンコンクエスト」のも開始されたということで,今回は昨年(2007年)話題になった書籍『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』を紹介したい。  数字だけでもピンと来た人は多いと思うが,この本はコロンブスが「発見」する以前の南北アメリカ大陸がどんな感じだったのかを,近年の考古学的成果に基づきつつ,ざっくり解説したものだ。著者自身が述べているとおり,考古学の発掘/調査結果は日々更新されているものであって,この本に述べられた見解も早晩陳腐化せざるを得ないわけだが,少なくとも大枠の問題提起としては今後とも有効だろう。  その問題提起とは何か? ヨーロッパと接触する以前の南北アメリカ大陸は,インカ/マヤ/アステカなどの例外を除いてもともと全体に人が少なく,それゆえヨーロッパ人は,比較的規模の小さな軋轢で未開の大地を切り拓いていったというイメージの,基本的な誤りについてだ。  いや,ヨーロッパ人が本格的に乗り出していったとき,南北アメリカ大陸で多くの地域が広大な空白地だったこと自体は,前述した一部の例外を除けば正しい。問題は,この大陸が人類の初渡航/定住以来ずっとそうだったのかという点にある。  この大枠について本書では例えば,インカの戸籍を調べたヘンリー?F?ドビンズの論文(1966年)を引き,ugg,1491年の南北アメリカ大陸の総人口を9000万?1?000万人と見る説が紹介されている。ちなみに同時期のスペインとポルトガルを合わせても,人口は1000万人以下である。国連が1999年に行った推計に従えば,当時の世界人口は約5內恕%丧鹰螗氦握hには異論もあるが,明らかにヨーロッパより多くの人が,南北アメリカ大陸に住んでいたことになる。  ではなぜ,そんなに人が減ってしまったのか? 原因は,ユーラシア由来の伝染病である。コロンブスが西インド諸島に到達する少し前には,ヨーロッパ人との接触が始まっている。例えば,少なくとも1481年以前にイギリスの漁船が南米に漂着していることも,現在では明らかにされているのだ。  ヨーロッパ人との接触が増えるにつれて,Diablo iii Gold,南北アメリカにおける伝染病の流行は猖獗を極めていき,17世紀前半までには約9割,先ほどの説なら8000万人から1內饲搬幛∷坤筏郡猡韦韧贫à丹欷皮い搿%ⅴ幞辚摔堡牍糯岳搐挝拿鳏希姗`ラシアとの接触で文字どおり崩壊した。ヨーロッパ人が渡航し,見聞を伝えているアメリカの広大な自然とは,まさにその崩壊の渦中で目にしたもの,ということになる
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